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【ONE FF】NJKFの大田拓真がヒジ打ちKO勝ちでボーナス、SBの笠原友希が鮮やかな初回KO勝ちで日本人連続ボーナス、大田一航が飛びヒザでダウンを奪われ判定負け、村井和道はMMAで秒殺KO負け

2024/04/19 22:04
ONE FridayFights 592024年4月19日(金・現地時間)タイ・ルンピニースタジアム※U-NEXTでLIVE配信 ▼第5試合 キャッチウェイト(-57.15kg契約)ムエタイ3分3R×コプター・ソー・ソンマイ(タイ)KO 2R 1分27秒 ※右ヒジ打ち〇大田拓真(振興ムエタイジム)  大田は団体内外でNJKFをアピールし、強さを示して「NJKF2023年度年間表彰」にて最優秀選手=MVPに輝いた。2023年は5月にメキシコ『IRON FIST』でムエタイ世界王座を2R TKOで奪取、7月は新日本キックで王者・瀬戸口勝也を撃破、9月のONEデビュー戦では従来のイメージを一新するハードな戦いを見せ、乱打戦の末に勝利した。2023年最終戦(11月)ではNJKFに凱旋、タフな難敵ルークワンを迎えたがボディを効かせ、4Rにローキックで沈めた。2024年2月には笹木一磨を大差の判定に破り、NJKFフェザー級暫定王座に就いている。  今回はONE初参戦のコプターと対戦。22歳で身長172cmということ以外は不明だが、強豪選手の多いソー・ソンマイ所属だけに油断はならない相手だろう。  1R、コプターが右ローを蹴ると大田がすぐに右ローを蹴り返す。右ローを狙い撃ちにするコプターに大田は右ボディストレート。コプターが右ストレートをヒットさせると大田は首相撲で止める。ヒジも放って来るコプター。大田は左ミドル。コプターが仕掛けた首相撲にコカされそうになるが耐える。コプターの右フック連打には右ストレートを返す。ラウンド終了間際、右ボディストレートからの左フックがクリーンヒットし、コプターはダウン寸前に。ラッシュをかける大田だったが、コプターはゴングに救われた。  2R、コプターが前に出てきて首相撲。大田を振り回す。ヒジから組んでのヒザのコプターに大田も組んでヒジで勝負。壮絶なヒジの打ち合いに場内は沸く。前に出て組んで来るコプターに大田は右ハイ。さらに打ち合いで右ストレート、効いて大きく後退するコプターへ右ヒジを叩き込みダウンを奪う。カウントが入り、大田のKO勝ち。ONEでの2連勝を飾った。 「1R蹴りで行こうと思ったんですが、思うようにできず相手選手にやられてしまった感じですね」と勝利者インタビューに答えた大田には35万バーツのボーナス。大田は手裏剣ポーズを見せ、笑顔を輝かせた。 [nextpage] ▼第4試合 キャッチウェイト(-59.87kg契約)ムエタイ 3分3R×ペットシーモック・PKセンチャイムエタイジム(タイ/タイCH3チャンピオントーナメント126p王者)KO 1R 1分25秒 ※右フック〇笠原友希(シーザージム/シュートボクシング日本スーパーフェザー級王者)  笠原は2019年6月に国内55kg級トップクラスの小笠原瑛作をヒジ打ちによるカットでTKOに破る大番狂わせを演じ、2020年7月に那須川天心の対戦相手に選ばれたが初回KO負け。再起戦では手塚翔太と大激闘の末、KO勝ちでSB日本フェザー級王座に就き、2021年12月にはスーパーフェザー級王座決定戦を制してSBで2階級制覇を達成した。  2022年3月にはRIZINに初参戦し、豪快な飛びヒザ蹴りで初回TKO勝ち。6月の『THE MATCH 2022』ではKrush王者の中島千博から勝利を奪った。9月にRISEの常陸飛雄馬に敗れて連勝が「7」でストップしたが、その後は再び6連勝。前戦はソン・ジェミンにTKO勝ち。また、これまでタイ人選手とは5度戦って全勝している。戦績は28勝(13KO)3敗のサウスポー。  対戦相手はタイCH3チャンピオントーナメント126p王者ペットシーモック。ONEにはこれが初参戦となる。  1R、笠原は前蹴りで突き放すがペットシーモックは右ストレートを伸ばして来る。それに笠原は右ハイを蹴り返し、打ち合いとなるが笠原は一度離れる。笠原は三日月気味の前蹴りを突き刺し、続いて左ヒザも突き上げる。ペットシーモックの右ストレートをかわそうとした笠原の伸ばした右手がアイポークとなり一時中断。再開後、ペットシーモックが連打で前へ出る。そこへ笠原が左ストレートのカウンターを併せてダウンを奪う。  立ち上がったペットシーモックに笠原は飛びヒザ蹴り。さらに左右ボディの連打からの左ストレート、右フックでダウンを追加。仰向けに倒れたペットシーモックを見てレフェリーがストップ。笠原がONEデビュー戦を鮮やかなKO勝ちで飾った。 「凄い幸せです」と勝利者インタビューに答えた笠原はタイ語でも場内へアピール(母がタイ出身)。「KO出来て凄く嬉しい気持ちと、相手も気持ちのいい選手で、指が目に入ってしまって申し訳なかったんですけれど強い気持ちで来てくれて勝てたので凄く嬉しいです」とインタビューに答えると、35万バーツのボーナスが贈られた。 「めちゃめちゃ嬉しくて今日勝つために、KOをみんなに見せるために頑張ってきたので嬉しいです」と笠原は笑顔で歓声に応えた。 [nextpage] ▼第3試合 キャッチウェイト(-55.3kg契約)ムエタイ 3分3R〇ペットナムコン・モンコルペット(ラオス)判定3-0×大田一航(新興ムエタイジム)  大田は「一航」のリングネームでNJKFをホームリングに、様々な団体に出場。今や兄の大田拓真とともに、NJKFをけん引する存在となった。2023年は1月にBigbangスーパーバンタム級王座を防衛、3月のKrushでは晃貴に初回KO負けで苦杯をなめさせられ、7月には前田大尊にも黒星を喫したが、10月はTKO勝利。12月は判定勝ちでBigbang王座を再び防衛し、後半巻き返して1年を終えた。しかし、2024年初戦のNJKF2月大会では真琴に判定で敗れ、NJKFスーパーバンタム級王座を逃した。兄・大田拓真(2023年9月に初出場で判定勝ち)に続いてのONE参戦となる。  ペットナムコンは2023年12月に『ONE Friday Fights 43』でONE初参戦、BM・フェアテックスにKO勝ち。2戦目は2024年2月にペイマン・ゾルファガリに判定負けしている。  1R、大田はジャブでけん制するが、ペットナムコンはジャブから右ミドル、右ロー。ペットナムコンは右ミドルを大田の左腕に当てていき、大田も右ミドルを返すがペットナムコンはスネでカットする。ペットナムコンはいきなりの左飛びヒザ、意表をつかれた大田は左フックのカウンターでもらい仰向けにダウンを喫する。立ち上がった大谷ペットナムコンは右ハイを当てるが、大田はパンチで前へ出て行く。ペットナムコンの強い右ロー、右ミドルをもらいすぎに見える大田。  2R、ペットナムコンは右ミドルから右フックの連続技。さらに右ローを蹴る。大田はジャブを伸ばし、左ミドルに左ボディを返す。大田はパンチで前へ出て行くがペットナムコンに左右ミドルを蹴られる。組んでのヒザの蹴り合いはペットナムコンが蹴って終わる。前に出てワンツーを打つ大田にペットナムコンは左右ミドルを次々と蹴り、大田は足払いでペットナムコンをコカす。  3R、ペットナムコンはサウスポーにスイッチし、前へ来る大田を前蹴りで押し返し、カウンターのヒザと左ミドル。ペットナムコンはオーソドックスに戻る。ミドルの蹴り合いとなるもペットナムコンの蹴りが快音を発して綺麗に決まる。大田は左ボディをヒットさせるがペットナムコンは首相撲に持ち込んで追撃を許さない。大田のワンツーを頭を下げてかわすペットナムコン。最後まで顔面のクリーンヒットを許さなかった。  判定は3-0でダウンを奪ったペットナムコンの勝利となった。 [nextpage] ▼第1試合 フェザー級MMA 5分3R〇オ・スファン(韓国)KO 1R 0分28秒 ※パウンド×村井和道(FIGHTBASE都立大)  村井は2018年までキックボクサーとして活動し、2021年にMMAプロデビュー。『Fighting NEXUS』を主戦場とし、4連勝で2024年2月、岸野“JUSTICE”紘樹とフェザー級王座次期挑戦者決定戦を行い判定2-0で惜敗した。ONEには今回が初参戦。  スファンは高校生時代、男子高等部-65kg級で2012年第10回全国散打選手権大会銅メダルおよび2013年第94回全国体育大会銀メダルを獲得。2021年第33回会長杯全国武術選手権大会では国家代表選抜戦-70kg級3位に入賞した。2018年からMMAの試合にも出場し、AFC、NeoFight、ZeusFCなどの韓国MMA団体でキャリアを積んだ。MMA戦績は5勝1敗。同じくONEには今回が初参戦。  1R、スファンは遠めの距離からジャブ、左ミドルを放ち、村井の右ミドルをキャッチすると同時の右フック。これがモロに決まり、村井は意識を失ってダウン。そこへスファンがパウンドで追い打ちをかけ、スファンが秒殺KO勝ちを飾った。  スファンは「いい気分です。ここで戦えて幸せです。ボーナスください(笑)」とアピールしたが、ボーナスは出なかった。
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