キックボクシング
レポート

【NKB】海老原竜二が引退試合で壮絶に散る、石川直樹が容赦なくTKO介錯。CAZとテーパブットはドロー、ライト級ランカー対決は蘭賀大介が判定勝ち

2024/04/20 18:04
NKB日本キックボクシング連盟「冠鷲シリーズvol.2」2024年4月20日(土)東京・後楽園ホール ▼第12試合 メインイベント 55.0kg契約 3分5R×海老原竜二(神武館/第9代NKBバンタム級王者、NKBバンタム級1位)TKO 3R 1分46秒 ※レフェリーストップ〇石川直樹(Kickful/初代ジャパンキックボクシング協会フライ級王者&初代スックワンキントーン認定スーパーフライ級王者)※海老原竜二引退試合  1R、海老原はサウスポーから左三日月を狙い、石川は下がって距離を作りながら右ミドル。海老原は蹴りからパンチに繋げたいようだが、石川に組まれて転倒させられる。  2Rになると海老原は左ストレートを出しながら前へ出てくるが、石川が首相撲で転倒させる。さらに海老原が三日月を蹴ってくると蹴り足をつかんでコカす。その後も首相撲に持ち込んではコカしにいく石川。海老原はパンチで行くと組まれ、蹴りを出すとキャッチされて手詰まり状態。石川はヒザを蹴る。  パンチで前へ出る海老原だがその拳は石川の顏に届かず、石川の右ヒザを腹にもらって海老原は立て続けに2度のダウンを奪われた。  3R、石川が右ミドルからヒザ。海老原はジャブ、前蹴りか、左ローからパンチにつなげたいが、石川の首相撲に捕まってヒザ・ヒジをもらう。最後は石川の右ヒザをもらってダウンした海老原。立ち上がるも再び崩れ落ち、レフェリーがストップした。  試合後には海老原の引退セレモニーが行われ、マイクを持った海老原は「引退試合だったんですけれどしょっぱい試合して最後派手に散っちゃって申し訳ないです。ちょっと何を話していいか考えてなかったんですけれど、ひとつは自分事ですが16で親父死んじゃって母ちゃんが女手一つで育ててくれてここまで来たんですけれど、ちょっとは親孝行できたかなと思います。おかん、ありがとう。  14~15歳でキックに出会って、結婚して出来なかった期間があったんですけれど23で戻ってきて今にいたるんですが、自分はNKBに育ててもらったんですけれどテクニックは全然ないので気持ちと根性だけでここまでやってこれました。このキックボクシングを通じていろいろな人とつながりが出来て人間としてもキックボクサーとしても成長させていただくことが出来ました。ありがとうございます。  キックボクサーとしては引退ですが、キックボクシングは大好きなのでこれからも何かしらの形で関わっていきたいと思うのでよろしくお願いします。最後にひとつ。試合前に話したことがない選手も勉強になりましたとかいろいろ話しかけてくれてグッときそうになって。自分は気持ちしかないので選手の皆さんもNKBのやるかやられるかの試合を体現して欲しいと思います。最高の格闘技人生でした。NKB最高!」と語った。  最後に10カウントゴングが鳴らされ、海老原は家族に見守られて現役生活に別れを告げた。 [nextpage] ▼第11試合 セミファイル 66.70kg契約 3分3R△CAZ JANJIRA(Team JANJIRA/NKBウェルター級王者)ドロー 判定0-0 ※30-30×3△テーパプット新興ムエタイ(新興ムエタイジム/元BBTV 7chスーパーフェザー級王者、スックワンキントーン世界ライト級王者)  1R、両者サウスポー。右ミドルを蹴って組み付くテーパプットは組んでのヒザ蹴りとヒジ。右ミドルをしっかり当てるテーパプットにCAZは右フックを打つもテーパプットはよく見てかわす。  2Rも組みに持ち込んでヒザを蹴るテーパプット。CAZはその前に左右フックも、テーパプットはパンチを見せてからすぐに組み付く。テーパプットの左ミドルにCAZは左右フックを放つがテーパプットにかわされる。首相撲でコカすテーパプット。  3R、テーパプットが左ミドルを2発蹴るとCAZは左ミドルを返す。すかさずテーパプットが左ハイをヒットさせる。前へ出るCAZはパンチを放っていくがすぐにテーパプットの首相撲に捕まってしまう。コカしにも来るテーパプット。最後までほぼCAZに当てさせず試合終了。  両者決め手なく判定は0-0でドローとなった。 [nextpage] ▼第10試合 63.0kg契約 3分3R×TAKUYA(K-CRONY/NJKFライト級3位)判定0-3 ※28-29×2、28-30〇蘭賀大介(ケーアクティブ/NKBライト級5位)  1R、どんどん前へ出てパンチを繰り出していく蘭賀。TAKUYAはコーナーやロープに詰まると首相撲に持ち込もうとする。下がりながら蹴るTAKUYAをパンチで追い回す蘭賀。勢い余ってパンチを空振りしてトップロープから転落しそうになる。  2Rも同じ。下がりながら右ミドルを蹴るTAKUYAに蘭賀が前へ出てパンチを当てに行く。近付くとTAKUYAが首相撲に持ち込んで蘭賀を止める。このラウンドはTAKUYAがパンチをかわしてミドルを当てていった。  3R、下がって右ミドルを蹴るTAKUYAに蘭賀も右ミドルを蹴る。リングを大きく使って回り込むTAKUYAを追いかけまわす蘭賀。その動きが大きくなり、追いかけっこのような展開となって場内は沸く。最後の最後で蘭賀の左フックがTAKUYAの顔面を捉え、試合終了。  判定3-0で下位ランカーの蘭賀が勝利を手にした。 [nextpage] ▼第9試合 ウェルター級 3分3R×大月慎也(TEAM Artemis/元JKAライト級4位)判定0-3 ※28-30、27-30、26-30〇後藤啓太(拳心館)  1R、後藤はジャブで距離を測ってサウスポーの大月に右ロー、右ミドル。大月はそこへ足払いを減らう。前へ出ると真っ直ぐに下がる大月に後藤はロープ際へ追い込んでヒジとヒザ。  2Rが始まってすぐ、大月をロプ際へ追い詰めた後藤はヒザ蹴りの連打でスタンディングダウンを奪う。続けてミドルやパンチで大月をコーナーへ詰めてヒザを蹴る後藤。下がる大月はロープやコーナーを背負い、後藤は飛びヒザをボディへ突き刺していく。大月は左ローと左ストレートを出すが形勢を逆転するまでには至らない。  3Rも同じような展開で大月は逆転を狙ってバックハンドブローを繰り出すが、ヒットは奪えず。後藤が左で蹴り、大月がローやパンチを返す。後藤はロープ際へ追い込んでもヒジやヒザが不発。大月が左右フックを振り回して試合終了。  ダウンを奪った後藤が判定3-0で勝利した。 [nextpage] ▼第8試合 ミドル級 3分3R△土屋 忍(kunisnipe旭ジム/WPMF日本スーパーライト級8位)ドロー 判定0-1 ※28-29、29-29×2△夏空(NKジム)  1R、サウスポーの土屋に右ミドルを蹴っていく夏空。土屋は左ストレートを伸ばしていくが夏空にかわされる。ワンツーで前へ出る夏空は右ミドルで快音を響かせた。  2Rも右ミドルを蹴ってワンツーで前へ出ていく夏空。土屋は左フックを振り回すが距離が短い。土屋の左肩はミドルで蹴られて真っ赤に。しかし、土屋の振り回すフックがついにヒット。夏空はクリンチを繰り返してこのラウンドをしのいだ。  3Rが始まると同時に夏空がラッシュを仕掛けてワンツーの連打。土屋は首相撲でつかんでは転がす。夏空の左ボディ、左フックにも組み付いてコカす。夏空は左右ボディ、右フッの連打で土屋を防戦一方にさせるが、土屋も思い切り右フックを振り回す。  最後は追い込んだ夏空だが、判定はドローとなった。 [nextpage] ▼第7試合 バンタム級 3分3R△シャーク・ハタ(テツジム)ドロー 判定0-1 ※29-30、29-29、30-30△ベンツ飯田(TEAM Aimhigh)  1R、ハタはボディへジャブ、ワンツー、左ミドルで前へ出る。飯田は左右フックで迎え撃ち相打ちとなる場面が見られた。  2R、パンチと右ローで前へ出る飯田だが、ハタにミドルを蹴られ詰められない。前へ出る飯田、下がって回り込むハタという展開が続く。   3Rも前に出る飯田の右ストレートがついにヒット。ハタもパンチを返すが飯田がボディ、顔面とヒットを奪う。ハタが左右フックと左ミドル、もらいながら前へ出る飯田は空振りが目立つ。互いにパンチを振り回し、試合終了。  両者決め手なく、痛み分けのドローに終わった。 [nextpage] ▼第6試合 ライト級 3分3R×KEIGO(BIG MOOSE)判定 ※29-30×2、28-30〇山本太一(ケーアクティブ)  1R、サウスポーの山本に対してKEIGOは左回り。右ロー、右ミドルを蹴る。山本は右フック、左ストレートを放つもKEIGOが左回りでかわしていく。  2R、右ミドルを蹴るKEIGOに山本はワンツーの連打で突進。山本の左ローに転倒するKEIGOは右ミドルを蹴り返すが、左ローを嫌がる素振り。左インロー、左ストレートの山本にKEIGOは右ストレートで対抗。左ストレートをもらったKEIGOは後退し、山本はカモンゼスチャー。  3R、左ストレートを当てる山本。KEIGOは飛びヒザ蹴りやミドルを蹴る。ラスト10秒で打ち合いに行く両者だが時間切れ。  山本が判定3-0で勝利を収めた。 [nextpage] ▼第5試合 52.50kg契約 3分3R×田嶋真虎(Realiser STUDIO)判定0-3 ※28-30×2、27-30〇荒谷壮太(アントジム)  1R、パンチに長ける荒谷がコンビネーションで攻め、田嶋は動き回ってヒジを狙う。  2Rになると荒谷は首相撲からのヒザを多用し、徹底して組んではヒザ。離れると左ボディ。田嶋はヒジを打つがすぐに組まれてヒザをもらってしまう。  3R、逆転を狙う田嶋は左ミドル&左ロー、そして左右ボディ。荒谷は徹底した首相撲からのヒザだが、田嶋は首をつかまれたままボディへパンチを連打していく。荒谷も負けじとヒザを蹴る。  判定3-0で荒谷の勝利となった。 [nextpage] ▼第4試合 57.50kg契約 3分3R×KATSUHIKO(KAGAYAKI)判定0-3 ※28-30×3〇堀井幸輝(ケーアクティブ)  1R、互いに右ローを狙い撃ち。KATSUHIKOはローから右ストレート、組んでのヒザに持ち込み流れをつかんだかに思えたが、後半は堀井が右ローで反撃。  2Rも右ローの蹴り合いとなるが、よりしつこく蹴るのは堀井の方。パンチも混ぜていく堀井が何度も右ローを蹴り、KATSUHIKOは足を上げるも蹴り返していく。  3R、組んでのヒジ・ヒザで逆転を狙うKATSUHIKOだが、堀井が右ローを蹴ってのワンツー。前へ出る堀井がほぼ一方的に攻める展開となり、堀井の判定勝ちとなった。 [nextpage] ▼第3試合 ウェルター級 3分3R〇健吾(BIG MOOSE)TKO 2R 2分56秒 ※ヒザ蹴り連打×皓太(TEAM Aimhigh)  皓太が1.7kgオーバーのため減点3からのスタート。健吾が勝利した場合のみ公式記録となる。  1R、蹴り合いからスタート。サウスポーの健吾は左ストレートを思い切り放ち、左右フックをぶんぶんと振り回して前へ出る。皓太はクリンチを多用。健吾はヒジも叩きつける。  2R、頭を下げて組みに来る皓太へ健吾はヒザ蹴りを連打。防戦一方の皓太にダウンが宣告される。さらにヒザ蹴りで畳みかける健吾がダウンを2度追加し、TKO勝ちとなった。 [nextpage] ▼第2試合 バンタム級 3分3R×磯貝雅則(STRUGGLE)TKO 2R 2分13秒 ※ドクターストップ〇杉山海瑠(HEAT)  1R、攻め手が多いのは杉山。ロー、ミドルを蹴ってパンチやヒジで飛び込んでくる。磯貝はローで応戦。  2Rが始まってすぐ、杉山のヒジで磯貝が左目上から流血。再開後、パンチで打ち合おうとする磯貝の傷口をヒジとパンチで狙う杉山。2度目のドクターチェックでストップがかかり、杉山の勝利となった。 [nextpage] ▼第1試合 ライト級 3分3R〇龍志(テツジム)判定3-0 ※28-27 ,29-27×2×樋口雄生(ケーアクティブ)
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