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【UFC】“キング・オブ・リオ”ジョゼ・アルドが引退から復帰「UFCにトップ5の相手を希望した」×UFC6連勝マルチネス「2R目には仕留めたい」=5.4『UFC 301』リオ大会

2024/05/04 21:05
 2024年5月4日(日本時間5日朝7時~)ブラジル・リオデジャネイロのジュネス・アリーナにて、『UFC 301: Pantoja vs. Erceg』(U-NEXT配信)が開催される。  メインイベントで、日本の平良達郎、鶴屋怜も参戦で注目のフライ級の世界王座戦が行われる同大会。コメインのバンタム級戦では、一度は引退した“ザ・キング・オブ・リオ”ことジョゼ・アルド(ブラジル)が復帰。UFC6連勝中の“ザ・ドラゴン”ジョナサン・マルチネス(米国)と対戦する。 ▼バンタム級 5分3Rジョナサン・マルチネス(米国)19勝4敗(UFC10勝3敗)※UFC6連勝中 136lbs/61.69kgジョゼ・アルド(ブラジル)31勝8敗(UFC13勝7敗)136lbs/61.69kg  アルドは、バンタム級でマルロン・ヴェラ、ペドロ・ムニョス、ロブ・フォントを相手に3連勝し、2022年8月の前戦でメラブ・ドバリシビリに判定負け。引退を表明したが、“テイクダウンマシーン”ドバリシビリにテイクダウンを許さない強さを見せた上で、プロボクシングに転向。左のパンチの上手さを見せて2勝(1分)している。  復帰戦の相手はUFC屈指の“ローキッカー”マルチネス。6連勝のなかにはRIIZNで元谷友貴に勝利したヴィンス・モラレス、さらにカブ・スワンソン、サイード・ヌルマゴメドフといった実力者が含まれる。2023年10月の前戦でエイドリアン・ヤネスの足を破壊した左インローは、ボクシングを戦っていたアルドにとって脅威となるか。 アルド「引退後、大金を稼げる多くのオファーが届いたが、重要なのはそこじゃない」 ──フェイスオフで熱くなっていたが? 「いや、いつも通りだ。相手が仕掛けてきたから、応じただけだよ。試合に刺激を与えてくれるし、良かったね」 ──UFCとの再契約について教えてください。 「デイナ・ホワイトとマッチメイカーのショーン・シェルビーと話したときは、リオデジャネイロでの試合も、対戦相手も、何も決まっていなかった。最初に、ドミニク・クルーズの名前が出たけど、問題があって実現しなかった。次にジョナサン・マルチネスの名前も上がって、偶然にもリオで戦うことに決まったんだ」 ──ドミニクとの初試合が実現せずに落胆した? 「ファンが元WEC&UFC王者の対決を見たがっていたのは分かるが、俺が求めたのは彼じゃない。UFCにはトップ5級の相手を希望したんだ。ここ最近負けが多いドミニクより、連勝中のジョナサン・マルチネスのほうが良いんだ」 ──6連勝中のジョナサンと対戦することで、今後はUFC王者を目指すのか、それともボクシングに戻る? 「デイナ・ホワイトと話した時、彼らは新たな契約を用意してくれた。そしてこの試合は本当に望んでいたし、今はこれだけに集中している。いまの自分の立ち位置を知って、考えたい。俺が引退した時、大金を稼げる多くのオファーが届いた。でも重要なのはそこじゃない。今やっていることが重要なんだ」 ──2023年の殿堂入りのときはエモーショナルになっていましたね。 「全く何も知らなかった、サプライズだったんだ。俺のビデオを流すということだけを聞いていたんだけど、殿堂入りのアナウンスだった。今回、こうして再びみんなの前で戦えて嬉しいよ」 マルチネス、レジェンドとの対戦に「俺にとっては、1人の対戦相手以外の何物でもない」 「ジョゼ・アルドに勝てば、俺の格が上がる。彼が成し遂げてきたことはみんな知っているからね。もし勝てば、目標に近づけるよ」 ──あなたが得意とするローキックを、アルドは以前のようには多用しなくなったが? 「確かに彼は持っている全ての技を使うようになったし、ミックスさせるようになったね。試合が楽しみだよ」──フィニッシュは狙っている? 「様子を見ないといけないが、2R目には仕留めたい」 ──アルドはまたボクシングに戻るつもりだが、彼のキャリアを引退させることに誇りは感じる? 「そのことは考えていない。この試合のために厳しい練習を積んできたし、全てが上手くいっているよ」 ──観客からのブーイングにも動じないが、その冷静さはどこからくる? 「彼には多くのファンがいるけど、俺にとっては他と同じで、1人の男なんだ。1人の対戦相手以外の何物でもないし、しっかりと試合の準備ができているからね」 [nextpage] アンソニー・スミス「電話ボックスで戦ったっていいくらい」 ▼ライトヘビー級 5分3Rアンソニー・スミス(米国)37勝19敗(UFC12勝9敗)205.5lbs/93.21kgビトー・ペトリーノ(ブラジル)11勝0敗(UFC4勝0敗)※UFC4連勝中 206lbs/93.44kg ──アンソニー・スミス、君はポッドキャストで精神的な問題を話していたが? 「自分が何をやりたいのか、なぜこれ以上続けたいのか、色々考えないといけなくて、メンタルの部分で調整が必要だった。でも本当に良いトレーニングキャンプを過ごせたよ。戦うことに興奮しているし、このマッチアップは素晴らしい。面白い試合になる。ブラジル人が俺のことを好んでいないのは分かるけど、それでも俺はみんなのことが大好きだよ」 ──練習を楽しむことは重要? 「楽しくなければ、戦わないほうが良い。クソみたいな試合をしてしまうだけだし、チームの雰囲気も悪くなって、まるで意味がない。幸せであればあるほど、試合で危険なファイターになれる。つまり、現在は良い状態だよ」 ──ラスベガスのエクストリーム・クートゥアーでの練習は? 「素晴らしかったよ。多彩なスキルを持ったファイターたちと、多くのラウンドを練習できて良かった。ショーン・ストリックランドとも楽しい時間を過ごせた。オンラインでの発言通り、クレイジーな部分もある。でも、チームメイトを助けるために汗をかける素晴らしい男だ」 ──UFC4連勝中のビトー・ペトリーノとの試合を楽しみにしている理由は? 「彼は良いファイターだと思うし、この階級で長い間、主役になれると思う。彼のスタイル、爆発力、パワーが好きだし、しっかり勝負を仕掛けてくれるだろう。そして、それはまさに俺が望む試合なんだ。勝負を仕掛けにくるファイターのほうが良いし、俺は電話ボックスで戦ったって良いくらいだ」 [nextpage] ウクライナのポティエリア「2年前は起床したら、泣いている状況だった。今は違う」 ▼ミドル級マッチ 5分3ラウンドミシェル・ペレイラ(ブラジル)30勝11敗(UFC8勝2敗)※UFC7連勝中 186lbs/84.37kg イーホル・ポティエリア(ウクライナ)20勝5敗(UFC2勝3敗)185lbs/83.91kg 「残念ながら俺はブラジル人に嫌われているけど、リオデジャネイロに来ることができて本当に嬉しいよ」 ──前回ミドル級転向初戦で体重超過。今回も苦労している? 「前回はショートノーティスで、6日間で減量する必要があったんだ。今回は前回よりもずいぶんと調子が良いし、モチベーションもあるよ」 ──前回は英語を話していなかったのでは? 「その通りだけど、英語を話すようにしたんだ。これまで大して練習していなかったけど、いつかアメリカで法律の勉強をしたい」 ──UFCに来て2年経ったが、最も成長した部分は? 「2年前、俺は多くの問題を抱えていた。母国で皆も何も期待できない状況にいた。多くの友人を失い、俺は心を閉ざしていたよ。UFCデビュー戦では試合のことは何も考えずに、母国での出来事を考えていた。多くの友人が死んだ。起床したら、泣いている状況だった。でも今は違う。ファイターとして精神的にも強くなった」 [nextpage] ポール・クレイグ「俺の打撃を見たら、みんな考え方を変えるだろう」 ▼ミドル級 5分3Rポール・クレイグ(スコットランド)17勝7敗(UFC9勝7敗)185lbs/83.91kgカイオ・ボハーリョ(ブラジル)15勝1敗(UFC5勝0敗)※UFC5連勝中 186lbs/84.37k ──ポール・クレイグ、君は多くのファイターから対戦アピールされているが? 「みんな、俺のことを簡単な相手だと思っているんだろう。ほとんどの試合で、俺は打撃スキルを披露していない。でも、俺の打撃を見たら、みんな考え方を変えるだろう。この2年間で、立ち技が成長して、ずっと良いファイターになったよ」 ──バック宙で大変なことに? 「俺がライブのステージでバク宙に失敗して、顔面から着地したことを知らない人もいるだろうね(笑)。酒を飲みすぎたんだ。KO勝ちしたら、バク宙するよ」 ──新しい髪型については? 「ファイターは古い自分を捨てようとするものだからね。常に自分自身を成長させ、進化したいと思っている。チャールズ・オリベイラのようなブロンドヘアになったから、もう誰にも止められないよ」 ──対戦相手のカイオ・ボハーリョはあなたをKOすると何度も言っていたが? 「彼は判定結着が多いが、俺は少ない。もしKOしようと前に出るなら、迎え撃つよ」 ボハーリョ「みんな彼とのグラウンドを避けようとするけど、俺はそんなことしない」 「俺よりランキング上位の相手と戦えて嬉しいよ。クレイグはレジェンドのショーグン含めて、多くのブラジル人に勝っている。俺にとって良いテストになるし、ブラジル人のリベンジを果たせる」 ──あなたはKO宣言をしているが? 「彼のグラップリングは上手だ。トラップも多く仕掛けて、色んな技を出せる。全部勉強したよ。俺は格闘技オタクだから、やれることは全てやるんだ。みんな彼とのグラウンドを避けようとするけど、俺はそんなことしない。彼がグラウンドでガードで固めようとしても、すぐには立ち上がろうとはしないで、プレッシャーをかける。相手が嫌がったら、立ち上がらせて、KOする。それが作戦だよ」 ──自分のことを「判定キング」と言っていたが? 「実際、判定で俺から勝てるファイターはいないよ。とても戦略的に戦うし、あまりダメージを受けないで戦える。俺との試合で判定に持ち込むのは得策じゃないよ」
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